古事記の研究 (4)

「古事記」と科学三番目に、帝皇日嗣三代の神皇産霊神が現れました。この神はカミムスビノカミ、すなわち神を結ぶというその名前からもわかるように、神を生み出す神です。この神が登場した頃、宇宙ではビッグバン(宇宙の始まりとされる大きな爆発。ビッグバン理論という考えがある)が起こりました。約二百億年前のことです。ここからようやく年歴無数ではなくなり、今の時間の流れに入っていきます。宇宙理論の先生によると実は、今の最先端の物理学でもビッグバンを超える理論が考えられていて、宇宙は無から生まれたという説を支持する人が増えてきたというのです。それは、インフレーション理論という宇宙科学の先端理論であり、さらにそのインフレーション理論はひも理論(超弦理論とも呼ばれる)というものに関連しているというのです。

ひも理論というのは、実はすべての物質を作っているのは粒ではなくて、極限まで細いひもだと考えた方が、様々な物理現象が上手く説明できる、というもだそうです。極小のひもが閉じて輪になったり、輪が開いて一本に伸びたり、揺らいだりする。「無」と呼ばれる状態は何もない状態に見えるけれど、本当に何もないのではなく、まったく眼には見えない、気が遠くなるくらい小さな小さなひもが揺らいでいる状態があって、そこからビッグバンにつながったというのです。私はこの話を聞いて、すぐに注連縄を連想しました。ひも理論とか超弦理論と呼ぶよりも、注連縄理論と呼んだらいいのではないでしょうか。先生の話によれば、宇宙創成から約137億年経ったとされる今も、宇宙はまだ膨張し続けているのだそうです。そして、なにより、実際に行われている宇宙の観測によって、その人の理論が実証されつつあるということでした。理論が理論のまま終わっているのではないのです。「帝皇日嗣」は伝えています。「無の神」が存在し、そこから宇宙が創成されていったということを。

そして、それはビッグバンが起こるよりも前のことだったということを。今、それが科学的に証明されようとしているのです。宇宙科学の今の研究では、宇宙創成を約137億年前としています。これはあくまでも今の科学で到達できるのがそこまでということであって、「帝皇日嗣」の口伝は約二百億年前としています。あまりにも長い時間のことですから、どれだけ誤差があるかはわかりませんが。137億年なのか、二百億年なのか、いずれにしてもはるかはるか昔の宇宙創成のその時を、人は誰もみているはずはないのに「帝皇日嗣」はそれを伝え続けてきました。

さて、「古事記」はこうした宇宙という壮大な世界との関連があるかと思えば、もう片方では、人体という文字通り身近な世界にも関連するのではというようなことがあり、どちらにも「偶然は神」を感じます。人体の世界でのことは、たとえば、注連縄とDNA(デオキシリボ核酸・生物の遺伝情報を伝える物質)です。両者は実によく似た形をしています。DNAのあの二重螺旋構造は、今ではよく知られるようになりました。しかし、それが発見されたのは二十世紀も半ばを過ぎてからのことです。その発見は、1962年にノーベル生理学・医学賞が贈られるほどのものだったのです。注連縄がいつから、あのような形に作られるようになったのかはわかりません。しかし、DNAが発見されるはるか前だということだけは確かです。ちなみに、注連縄も綯うときに、相当な力で凝縮されています。大きなことから小さなことまで、まるで科学の方が「古事記」の世界を追いかけているかのようです。最新の科学がようやく「古事記」に追いついてきた感じがします。科学はこれからも「古事記」を証明していくでしょう。最初に「古事記」ありき、です。それを信用しているのが、古神道の人間なのです。