フィンテックとは (5)

フィンテック2.0では、さまざまな金融機能がアンバドリングされていきます。これらのアンバドリングされた機能がバラバラに提供されているのでは使い勝手はあまりよくありません。これらのアンバドリングされた機能がバラバラに提供されているのでは使い勝手はあまりよくありません。これらのアンバドリングされた機能を組み合わせることでより便利なサービスが生みだされます。ここでAPIが威力を発揮します。分解された機能をお互いがAPIとして提供し、お互いの機能を部品として活用することで既存の金融機関に匹敵するサービスを生み出すことが可能になります。そしてお互いがお互いを活用する中で、サービスの標準化が生み出されることも期待できます。

AIとブロックチェーンがカギとなる
APIとならんで重要な技術が「人工知能」と「ブロックチェーン」です。ライフログに代表されるビッグデータを活用するには大量の計算と高度な分析が不可欠です。いままでは優秀なプログラマーやデータサイエンティストと呼ばれる人たちが試行錯誤を繰り返していたのですが、人工知能が登場したことでこの状況が大きく変わりました。人工知能の歴史や技術、具体的な活用事例については後ほどくわしく触れますので、ここでは人工知能がなぜフィンテックの進化に影響を与えるのかを説明します。金融業界はもともと大量のデータを蓄積している産業です。そして人工知能が登場する前からさまざまな業務でデータ分析が行われてきた業界でもあり、すでに多くの知識やノウハウが存在しています。しかしビッグデータを活用するには、それまでのデータ分析の経験では対処できないことが徐々に明らかになりつつあります。大量のデータを効率よく分析し、意味のある結果を得るには人工知能を活用することが不可欠になりつつあります。
そして、金融の仕組みを根本から変革してしまう可能性のある技術が登場しました。仮想通貨のビットコインを支える「ブロックチェーン」です。ブロックチェーンについても後ほどくわしく見ていきますが、もしかするとブロックチェーンは金融業界がこれまで築き上げてきた複雑かつ堅牢な仕組みを、非常にシンプルな仕組みに置き換えてしまうかもしれません。いまだ未知数な点も多いのですが、現在最も活発に研究や実験が行われている分野です。
このようにAPI、AI、ブロックチェーンといった技術は、アンバドリングされた金融機能を新たに組み合わせ、金融サービスに革新をもたらす可能性のある技術です。アンバドリングされた金融機能が新たな進化を遂げる段階を「フィンテック3.0」と呼びたいと思います。
フィンテック4.0 金融ビジネスが新たな形でつながる「エコシステム」が登場する金融ビジネスがアンバドリングされる「フィンテック2.0」、そしてそれらのアンバドリングされた金融サービスがAPIを通じて「部品」として機能する「フィンテック3.0」を経た次のステージが「フィンテック4.0」です。ここでのキーワードは「リバンドリング」です。「リバンドリング」とは「アンバドリング」の対義語で、「再統合」という意味です。フィンテックは金融機能をアンバドリングしていくわけですが、フィンテック2.0で示したウェルス・ファーゴの図にあるように、あらゆる金融機関が個別の企業から提供されるというのは利用者から見ればあまり便利なものとは思えません。以前、インターネットが急速に普及を始めた21世紀初頭、さまざまなインターネットサービスが生まれました。聞いたこともないようなベンチャー企業が出したサービスが一夜にして市場を席巻し、それまでの主要なサービスを駆逐している光景を何度となく目にしました。そして私たちはいろんなサービスのIDとパスワードを数えきれないくらい登録してサービスを利用していました。